学生時代から現在に至るまで、ほぼバイクに乗り続けてきた。(就職して1年目だけ空白期間あったけども)
大型バイクに関しては、国産から外車のネイキッドバイクは複数台乗ってきて、最近フルモデルチェンジされてデザインに一目惚れし、XSR900へ乗り換えた。
この記事の目次(クリックでジャンプします)
XSR900の特徴
最近流行りのネオクラシック系のネイキッドになる。
今回XSR900としては初めてのフルモデルチェンジとなった。スペックはさておき、デザインを先代と比較すると、大きく変化している。一言でいうと、『80年代のレーサーレプリカ』のデザインが感じられる。先代はあくまでもスーパーモタード的な位置づけだったMT-09を、ネイキッドバイク化したというデザインだった。
今回のXSR900についても、現行MT-09の派生機にはなるが、ぱっと見派生機に見えないほど。
特徴的なのはシート形状で、レーサーレプリカのシングルシートのような形状になっており、非常にレーシーな佇まいになっている。この為、後述するが、積載性やタンデム機能がほぼ皆無となっている。
ネオクラシック、カフェレーサーというか、これはカウル取っ払ったSSなのでは・・・
車重が193kgと、900ccバイクにも関わらず200kgを切った車体の為、リッター級の加速感を感じるというか、正直運動性が高すぎて怖いまである。
過去所有していた初代MT-09のドッカン加速とコーナー性能と比較すると、エンジン特性は似ているというか過激な頃に戻った感じがする。これはエンジンそのものの性能もあるが、アクセルがワイヤー式ではなく、ドライブ・バイ・ワイヤによる電子的制御もあって、アクセルワークに敏感に反応するようになった所もあるのかも知れない。ここ最近、電子スロットルの搭載されたバイクに乗っておらず、クラッチ重い、アクセルもワイヤー式ばかり乗っていたから、その差もあると感じた。
峠道などを走っていると、たしかに体験はスポーツ走行そのものなんだけど、SSほど尖ったスポーツをしていないと感じた。これはSSほどホイールベースが短いわけでもなく、シート形状からくる乗車位置、姿勢もそれほど前傾を強いられないからだと思う。SSほど倒し込みがパタンパタン倒していくというよりは、もう少し控えめというか。それでも、通常のネイキッドバイク(例えばZ900RS)よりは、挙動がクイックに感じる、そんな程度。
ワインディングも楽しいし、首都高を流して走るのも気持ちがいい、最近のバイクの中でもこれ程楽しかったバイクは無いかも知れない。
デザインだけは最高、乗り味だけは最高というようなバイクは過去も経験があったけど、ここまで両方が高い水準のバイクはなかなか見つからないと思う。正直、XSR900に関しては車検1~2回で大体乗り換えをしてきた自分がしばらく乗り換えはいいかと思えるほどの良かった。
諸元に関してはリンク先を参照ください。
ここが良い
デザイン
自分の年齢からしたら80年代のバイクはかっこいい、欲しいと思っても、プレミア価格、パーツ供給停止による整備性、将来性の無さなど、どうしても手に入れられないものだった。
XSR900は往年の80年代レーサーレプリカっぽさを残しつつ、ただそこには古臭さはなく、現代のデザイン性の中に当時を知らないけども懐かしさを感じる絶妙なバランスだと思う。
正直、デザインに関しては、個々人の好き嫌いが激しく出るとこなので、一概に良いとことは言えないかも知れないが・・・
ホイール
少し専門的な話になりますが、現行のXSR900やMT-09には、量産二輪車初、回転塑性加工による『SPINFORGED WHEEL』が『純正』で装備されています。
技術詳細はリンク先のYAMAHA公式サイトを御覧ください。
従来であれば、社外品ホイールに交換することで、軽量化を図る必要があったし、しかも、R1のような本当のスーパースポーツモデルをサーキットで走らせるような用途でなければ、費用的にも見合わないカスタムでした。
それを量産車で、かつ、完成車メーカーの精度、品質で製造された『SPINFORGED WHEEL』が『純正』で勝手についてくる!社外品で交換しようとすると前後30万オーバーコースです。
回転物が軽くなるというのは運動性に直で、反映されるので、XSR900の大型バイクらしからぬ軽さに繋ががっています。
マフラー
一般的なマフラーだと排気口は後方を向いているため、排気音は直接耳に届きます。しかし、XSR900では排気口が地面に向けられているため、ライダーは地面に反射した音を間接的に聴くことになります。
この地面に反射させた音をライダーに届けるという発想は今までのバイクでは見たことがなく、3気筒エンジンの独特の排気音にデザインされています。腹に響く重低音がよく出ており、社外品マフラーに変えたいという欲が起きません。純正で十分と感じます。
また排気口を下に向けてることで、昨今の環境規制に伴う、触媒の重量増を車体下に重心が来る形にしていることも運動性に寄与していると思います。
ここが悪い
積載性の無さ
これはもうシート形状を見れば、わかると思うのですが、何も載りません。バイクは元々積載性に難のある乗り物ではあるのですが、XSR900は群を抜いて積載性が皆無です。
最近はETCを装備することが前提だと思いますが、シート下収納は、ETCを入れたら他は何も入りません。車検証入れも入らなくなるので、ジップロックに車検証コピーを入れて、丸めて収納して何とかというレベルです。
シートバッグをつけようにも、シート後部はデザイン優先の形状をしており、ほとんどのシートバッグが取り付けできません。なんとか、取り付け可能なのが、ゴールドウィンのX型装着ベルトタイプのシートバッグであれば取付可能です。それでもバッグ内部の座面がシート形状に押される形で実際の容量よりも少なくなってしまいますが…
これはデザインの為、わかってて購入しましたが、ツーリング時は厳しいですね。
リアサスペンションの固さ
自分は体重62kgなんですが、路面ギャップを拾った際に、リアサスが固いのか、純正セッティングだと、ケツ跳ねが気になります。スーパースポーツほどではないにしろ、走行性能がかなり高いので、速度域が高い領域で暴れないためということなんでしょうが、一般道を流す時には固すぎると思います。
幸い簡易調整可能なので、自分は最弱にしています。メーカー純正サスはセッティングできるようになっているものもありますが、社外品と比べれば調整幅も狭く、安全マージンがかなり取られているため、純正サスのセッティングをする際は、個人的には最強と最弱のどちらか自分の好みの方向に振って、ダメなら純正位置に戻すくらいでやってみると良いと思います。
バーエンドミラーの張り出し
こちらデザインの好き嫌いがかなり分かれると思います。個人的にはバーエンドミラーは好きなんですが、XSR900のバーエンドミラーは形が好みではありません。ここは、通常のハンドルミラーを純正にしてもらって、通常のバーエンドにしてくれれば、カスタムでどうにでもなったのにと思わずにはいられません。
XSR900のバーエンドは、特殊な形になっており、一般的な社外品バーエンドミラーを取り付けると、バーエンドに隙間ができてしまい、選択の幅が狭いのも悪い点だと思います。
ハンドル角の無さ
ハンドル角で曲げていくバイクじゃないという制作側の強い意志を感じます()
乗っている分にはハンドル角の狭さが悪さをして、乗りにくいということはありませんので、安心してほしいのですが、駐車時やUターン時の切り返しはかなり気を使います。
全然ハンドルが切れないので、狭い道路でUターン、商業施設の駐輪場で切り返しみたいな場面で、何回も切り返ししないといけなくなりますので、そういう点では便利なバイクではないです。
まとめ
悪い点が多いように見えますが、正直無理やり悪いところを捻出したというのが、実際のところです。
機能としても、上下クイックシフター、クルーズコントロール、ドライブモードもついていて、価格は121万です。正直、装備を考えるとこの値段では買えないなという印象で、YAMAHAの企業努力の凄まじさを感じます。積載性など難もありますが、実用性を考えたらバイクなんて乗れないのです。
このレビューで購入時の検討の役に立てば幸いです。
排気音など録音できる機材を用意できたら、更新したいと思います。
コメント